【ヴリクシャアサナ・木のポーズ】①
【ある風景】
「先生。わたし最初のこのポーズからつまづいてしまって」
「ああ。この木のポーズはヨガ教室とかで最初にやらされるポ ーズのひとつだけど、決して安易なポーズではないよ。脚力のある若者ならば強引にできてしまうものだけど、、、」
「わたし、筋肉もついてないし片足立ちとか難しいです」
「なに。ヨガとは筋力ではないよ。かたちをつくってポーズをまとめる。そうすれば筋力に頼らなくとも長くポーズをキープすることができる」
「・・・」
「ヨガではエネルギーの流れ、意識の流れとも言っていいけれど。そういうものが大事だ」
「この写真で言えば折り曲げた右足の裏を左太ももにしっかり押し当てて上昇する意識・上昇するエネルギーに変える。
そんなイメージ」
「ベクトルみたいなものですか?」
「ほぅ。難しいことを知ってるね。ま。そういうもの」
「エネルギーや意識には強さと向きがあるのですね」
「そうそう。そのエネルギー、意識の流れが身体のなかで向きと強さがちょうどつり合うようにバランスがとれると、この木のポーズも楽々長くキープすることができるよ」
「はい」
「わかったならばやってみましょう。いくら頭でわかっても身体で理解しなければ意味はないし」
「はい」
「ヨガでは目にみえないもの
目に見えないことこそが大切」
【指導時の着目点】
・ポーズは身体全体でとることを理解してもらう(木のポーズは単なる片足立ちではない)
・イメージすることの大切さを理解させる(上昇するエネルギーのイメージ)