【トゥリコーナアサナ「三角のポーズ」】
【ある風景】
「あ。猫」
「猫は不思議。人がリラックスしてる時のアルファ波を感知してるみたい。わたしが朝ヨガしてる時も生徒の家(うち)に出かけてそこの家の猫が寄ってきてマットの上でゴロンとなることがほんと多い」
「へ〜。猫ってすごいですね」
「そう。猫は知っているんだ。見えないものこそ重要なんだということを」
「・・・。先生。三角のポーズってこうですよね?」
「ん〜。上体が傾いているね。胸が下を向いている。まずは骨盤から傾いてるから」
「・・・」
「無理に手を下げて床につけようとするとそうなるね。先ずは身体で三角形をかたちづくるイメージが大切。わたしのポーズをみてみて」
「どこに三角形ができとるかわかる?。ここでは3つの三角形ができてるよ」
「わたしは2つしかできません」
「2つでもいいの。例えばアシュタンガヨガだと下げた手指で足の親指を掴むから。それよりも大切なのは自分でつくった三角形。それが歪んでいたりたわんでいたり傾いていないことが大切」
「はい。でも、そうすると下げた手は膝のところまでしか届きません」
「最初はそれでもいいんだよ。届かせようと一生懸命になるのではなく下げた手で床を押すイメージをつくるの。そうすると上半身も使われて肩や胸に余裕ができてくる。そこのヨガブロックを取ってください」
「はい」
「こうして下げた手でヨガブロックを押す練習をする。そして押した時に上半身がどのように余裕ができるのかを観察すること。胸が開いて楽になるはず」
「はい」
「さらにわたしは長い棒を使ってこんな練習もしているよ」
「こんな感じ」
「こうして棒をかかしのように担いでゆっくり倒していく。しっかり両足を踏ん張らないと倒れてしまうから気をつけて。こうすると上半身が固定されて正しい形がイメージしやすいんだ。棒を使うと例えばこのポーズではどこを曲げてどこを伸ばせばいいのかがわかりやすくなる、意識しやすくなる。伸ばすところは伸ばす、曲げるところは曲げる、それが正しいポーズ」
「はい」
「ただ手を床に届かすとかではなくて、身体全体でそのポーズをイメージすることが大事」
「はい。わかりました」
「いいかい。
正しいポーズは美しい
美しいポーズは正しい
ま。わたしは見た目老いぼれジジイだけど」笑
【指導時の着目点と注意点】
・骨盤の傾き
・真横に倒す力
・ヨガブロックの使用
・顔の向き